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★相続税の計算方法
■以下では、分かりやすいように数字を入れて説明します。手順1から順番に手順5の流れで計算してゆきます。
たとえば、夫が亡くなり、妻と子供2人(共に成人)が2億2000万円の財産を相続。他に借入金の残額が1600万円あり、葬式費用が400万円かかったとします。なお遺産は妻(配偶者)が2分の1を取得し、残りを長男(子)と次男(子)が等分に配分したと仮定します。下線をクリックすると詳細ページにリンクいたします。
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★相続税の計算方法
分かりやすいように数字を入れて説明します。手順1から順番に手順5の流れで計算します。
たとえば、夫が亡くなり、妻と子供2人(共に成人)が2億2000万円の財産を相続。他に借入金の残額が1600万円あり、葬式費用が400万円かかったとします。
なお遺産は妻(配偶者)が2分の1を取得し、残りを長男(子)と次男(子)が等分に配分したと仮定します。
■手順1 相続税の課税価格を計算します
はじめに、相続税の対象となる相続財産の額を計算します。
「課税価格」の計算は、つぎのようになります。
<課税価格の計算式>
課税価格
=[1.本来の相続財産]+[2.みなし相続財産]−[3.非課税財産]−[4.債務・葬式費用]+[5.相続開始前3年以内の贈与財産]+[6.相続時精算課税制度を適用した贈与財産]
聞きなれない、難しい言葉ばかりですね。
でも大丈夫です。ゆっくり、順番にみていきましょう。
1.本来の相続財産
亡くなられた方(被相続人)が相続開始の時に持っていた財産です。
現金、預貯金、土地、建物、株式、投資信託、宝石、家具、自動車、
書画・骨董品、事業用資産、電話加入権、著作権など
2.みなし相続財産
被相続人が相続開始の時に持っていたわけではないが、死亡した事を原因に、実質的に被相続人が持っていたとみなされる財産のことです。
死亡退職金、功労金、死亡保険金、生命保険契約の権利など
3.非課税財産
財産の性質や国民感情から、相続税を課税することが適当ではないとして相続税のかからない財産です。
墓地・仏壇等、公共事業用の財産、
相続税の申告期限までに国などに寄付した財産
相続人が取得した死亡保険金や死亡退職金のうちで一定額。
4.債務・葬式費用
相続人は、マイナスの財産(借入金など)も引き継がなければなりません。
相続税を計算する場合には、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いて計算します。
未払税金、未払医療費、住宅ローン、借入金、葬式費用(お通夜・告別式、埋葬・運搬費用)など
差し引くことができない費用としては、
墓地や仏壇など非課税財産にかかる未払い金、香典返戻費用や法要(初七日、四十九日など)にかかる費用などです。
5.相続開始前3年以内の贈与財産
相続・遺贈で財産を取得した人が、相続の開始前3年以内に相続人から贈与でもらった財産がある場合には、相続財産に加えて、その贈与財産も含めて相続税の計算をする必要があります。
なお、贈与財産は贈与時の価格で計算します。
ただし、加算して計算する必要があるのは、相続や遺贈によって財産を取得した人だけに限られます。
6.相続時精算課税制度の贈与財産
相続時精算課税制度とは、簡単に説明すれば贈与税の負担を少なくして生前贈与ができる制度のことです。
もし、被相続人から生前にこの制度を利用して贈与を受けていた場合には、相続財産に加えて、相続時精算課税制度の対象となった贈与財産も含めて相続税の計算する必要があります。
なお、贈与財産は贈与時の価格で計算します。
贈与の際に贈与税を支払っている場合には、その税額については相続税から差し引くことができます。
課税価格の計算
財産 債務 葬式費用 課税価格の合計額
2億2,000万円 - (1,600万円 + 400万円) = 2億円
■手順2 課税遺産総額を計算します
「課税価格」が計算できたら、基礎控除額をマイナスして課税遺産総額を求めます。
相続税には基礎控除額というものがあります。
基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数×600万円
ポイント1!
「課税価格」が基礎控除額以下であれば、 相続税はかかりません。
ポイント2!
法定相続人の数は、相続放棄をした人がいても放棄がなかったとして人数を計算します。
また、被相続人に養子がいた場合には、実子がいる場合は1人、実子がいない場合には2人まで算入することができます。
基礎控除額の計算
仮に相続人が、妻と子が2人の計3人だったとします。
その場合の基礎控除額は、
3,000万円 +600万円×3人 =4,800万円 となります。
相続税の基礎控除
法定相続人の数 | 基礎控除額 |
1人 | 3,600万円 |
2人 | 4,200万円 |
3人 | 4,800万円 |
4人 | 5,400万円 |
5人 | 6,000万円 |
※1人増えるごとに600万円を加算されます
例であげた相続人が3人の場合であれば、基礎控除額は4,800万円。
つまり、 「課税価格」以下であれば(例題の場合は4800万円)、相続税はかかりません。
ようするに基礎控除額の方が相続した財産よりも大きい場合には、相続税を申告する必要はありません。
統計的には発生した相続のうち、5%程度の人達が相続税の申告をしていると言われています。
手順1でもとめた課税価格から、基礎控除額をマイナスして課税遺産総額を求めます。
課税価格 − 基礎控除額=課税遺産総額
課税遺産額の計算
課税価格−基礎控除額=課税遺産総額
2億円 − 4,800万円 =1億5,200万円
■手順3 相続税の総額を計算します
「課税遺産総額」を法定相続分で分けたと仮定します。
相続税の総額の計算
1.課税遺産額を法定相続分で按分します
対象 課税遺産総額 割合 法定相続分
配偶者 1億5,200万円 × 1/2 = 7,600万円
子 1億5,200万円 × 1/4 = 3,800万円
子 1億5,200万円 × 1/4 = 3,800万円
2.法定相続人ごとに下記の速算表を使って相続税の計算をし、総額を求めます
相続税の速算表
法定相続分に応じて取得する金額 (a) | 税率 (b) | 控除額 (c) |
1,000万円以下 | 10% | |
1,000万円超え 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超え 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超え 1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超え 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超え 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超え 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超え | 55% | 7,200万円 |
計算のしかた 〔(a)×(b)〕−(c) = 相続税額
配偶者 7,600万円 × 30%−700万円 = 1,580万円
子 3,800万円 × 20%−200万円 = 560万円
子 3,800万円 × 20%−200万円 = 560万円
合計 2,700万円
■手順4 各相続人等の算出税額を計算します
相続税の総額を各相続人に按分します
配偶者 2,700万円 × 1/2 = 1,350万円
子 2,700万円 × 1/4 = 675万円
子 2,700万円 × 1/4 = 675万円
合計 2,700万円
■手順5 各相続人等の納付税額の計算
配偶者の税額軽減
配偶者は、法定相続分と1億6,000万円のいずれか多い額までは相続しても、相続税はかかりません。
配偶者の課税価格 (実際の取得割合)
2億円×1/2=1億円
1.配偶者の法定相続分
2億円×1/2=1億円
2.1億6千万円
例題の場合、配偶者の課税価格 (実際の取得割合)は、1又2以下なので税負担はなし
配偶者 配偶者の税額軽減を適用 0円
子 2,700万円 × 1/4 = 675万円
子 2,700万円 × 1/4 = 675万円
※例題のケースでは、最終的に納める税金の合計額は1,350万円となります。
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名古屋税理士会
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