平成25年度相続税・贈与税の税制改正について・成立編

★平成25年度相続税・贈与税の税制改正について

 
お客様の高い関心をひいていた相続税、贈与税に関する平成25年度税制改正が成立しました。改正内容については、私どものホームページでH23年度改正案の際から書いておりました内容が、相続税ではほぼそのままに。また、贈与税についてもかなりの部分が重なっており専門家目線では目新しさはありません。

今回の改正をひと言でいえば、贈与税は緩和方向への改正に対し、相続税は増税への流れが顕著です。

適用開始は、一部を除き平成27年1月1日以後の相続又は遺贈及び贈与からの予定。


■相続税・贈与税の改正で注目すべきは次の4点です。

相続税の計算における基礎控除額の引き下げ<平成27年1月1日より適用>

相続税の税率見直し<平成27年1月1日より適用>

PS  相続税改正については、これまでに記載した内容と変化がありませんので、こちらのページをご参照下さい。相続税に関する25年度税制改正大綱について

贈与税の税率見直し<平成27年1月1日より適用>

贈与税の税率について、下記のように2種類の税率に変更されます。

イ. 20歳以上の者が直系尊属(祖父母や両親など)から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率表


*贈与税の非課税枠である110万円を加えた410万円超から510万円以下までの贈与については、税率が20%から15%へと税率が下げられています。

現行   改正後
課税財産 税率 控除額 課税財産 税率 控除額
200万円以下 10% 200万円以下 10%
200万円超300万円以下 15% 10万円 200万円超400万円以下 15% 10万円

300万円超400万円以下

20% 25万円 400万円超600万円以下 20% 30万円
400万円超600万円以下 30% 65万円 600万円超1000万円以下 30% 90万円

600万円超1000万円以下

40% 125万円 1000万円超1500万円以下 40% 190万円

1000万円超

50% 225万円 1500万円超3000万円以下 45% 265万円
      3000万円超4500万円以下 50% 415万円
      4500万円超 55% 640万円

現行税率と改正後税率との税額の違い
贈与額  600万円・・・現行82万円    改正後 68万円
        1200万円・・・現行320万円  改正後246万円
         1800万円・・・現行620万円  改正後495.5万円
 

ロ. 上記以外の贈与財産に係る贈与税の税率表
 
贈与の額が1000万円を超える場合には、現行税額と差が出てきます。
最高税率は50%から55%へと課税が強化されます。

現行 改正後 
課税財産税率控除額 課税財産 税率 控除額
200万円以下 10% 200万円以下 10%
200万円超300万円以下 15% 10万円 200万円超300万円以下 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円 300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 30% 65万円 400万円超600万円以下 30% 65万円
600万円超1000万円以下 40% 125万円 600万円超1000万円以下 40% 125万円
1000万円超 50% 225万円 1000万円超1500万円以下 45% 175万円
      1500万円超3000万円以下 50% 250万円
      3000万円超 55% 400万円

現行税率と改正後税率との税額の違い
贈与額1200万円・・・現行320万円  改正後315.5万円
     1800万円・・・現行620万円  改正後595万円

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の新設

<平成25年4月1日から平成27年12月31日の贈与について適用>


30歳未満の子や孫などの教育資金に充てるため、親、祖父母等(直系尊属)から金融機関(信託銀行)に信託をした場合には、受贈者一人について1500万円(学校等以外への支払は500万円)までの贈与を非課税とする。


*相続財産が減少することになるので、相続税を減少させるという面では効果がありそうです。但し、教育資金として使いきれなかった場合、残された金額については受贈者が30歳に達した日に贈与があったとして、通常の贈与税が課税される事になります
この点は大きな注意が必要です。

 

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