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生命保険を活用した相続対策

★生命保険を活用した相続対策


ひとえに相続と言っても、現金・預貯金、株や投資信託の財産が多い相続と、現金や株は少ないが先祖代々で引き継いだ不動産だけが多い相続もあります。


預貯金のように容易に遺産分割ができる財産であれば、分割も相続税の納税も難しい事はありません。しかし、「不動産はあるけど流動的な現金・預貯金が少ない」という場合には、分割も納税にも困難が生じます。そのような問題を解決するために生命保険は活用できるのでしょうか?


数ある相続対策の中でも、実効性が高い割には敷居が低い対策法として生命保険を考えてみました。


長所として考えられるのは大きく3点


「非課税枠の活用」

生命保険による死亡保険金は相続税の対象となります。ただ、残された相続人らの生活保障を目的に相続税の計算では「500万円×法定相続人数」の非課税額が認められています


例1 
配偶者と子2人が相続人にとなる場合には、500万円×3人で1,500万円の非課税額となります。仮に現金や預貯金として1,500万円を持っている場合、相続税の財産評価では丸々1,500万円が相続税の課税対象として計算されます。


例2
それに対し、生前に現金や預貯金を原資として1,500万円の生命保険に加入。その後に相続が発生し生命保険金として受取った場合には、保険金1,500万円から非課税限度額1,500万円を控除することで0円。結果として相続税額を減らすことに繋がります。


仮に相続税率が30%の場合であれば、非課税限度額1,500万円×税率30%となり、相続税を450万円も節税できることになります。


注意*相続人以外が取得した死亡保険金は非課税限度の適用はありません*


「遺産分割の円滑化」

生命保険を活用することは相続税対策だけではなく、遺産相続による争族を防ぐ効果もあります。相続税対策は重要ですが争い事を防ぐ争族対策も大切です。


生命保険は相続税法上は、みなし相続財産として課税対象になりますが、民法上は相続財産には当たらないために遺産分割協議に含める必要がありません。つまり、受取人を指定することで遺産分割協議の進捗ぐあいに関係なく保険金を受け取ることができます


「納税資金対策」

相続の発生を銀行や郵便局など金融機関に伝えると、金融機関側での確認がなされた時点で亡くなられた方(被相続人)の口座預貯金は引き出しが出来なくなります。これは相続開始で名義人の預貯金は「相続財産」となり、相続人の共有財産となるので遺産分割協議が終るまで預貯金が凍結されるためです。


金融機関により手続きは異なりますが、引き出す為には遺産分割協議書や相続人の印鑑証明書、戸籍謄本などの提出が必要となり時間もかかります。


これに対して死亡保険金は、受取人が請求手続きをすることで概ね2週間程度で受取人が指定する口座に振込まれます。よって、葬儀費用や納税資金など大きな金額の支払いが必要な時であっても対応する事が可能です


★注意事項
相続税対策としての生命保険は、節税や争続防止、納税資金対策など長所もありますが、中途解約をすると返戻金が支払額を下回ったりする短所もあるので十分な計画が必要です。


画像引用 大同生命保険HPより引用

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★生命保険金に関する課税関係


生命保険金は原則、保険金を受け取る時に課税されます。契約者(保険料の支払者)、被保険者、受取人の関係によって税金の種類が変わります。分かりやすいよう表にまとめると下記のとおりとなります。


契約者(保険料の支払者) 被保険者 保険金受取人 課税関係
1の場合 母または子 相続税
2の場合 贈与税
3の場合 所得税



1の場合 契約者=父 被保険者=父 保険金の受取人=母もしくは子

父が自分に保険を掛け、受取人が母もしくは子供。契約者は父という場合です。この場合は父の死亡時に生命保険金が支払われ、父の相続財産として相続税が課税されます。


2の場合 契約者=母 被保険者=父 保険金の受取人=子

父を被保険者として、母が保険料を支払って父の死亡時に子供が保険金を受け取る場合です。子供は父の死亡を原因に保険金を受け取りますが、保険料を支払っていたのは母である事から、母から子供への贈与となり贈与税が課税されます。


3の場合 契約者=子 被保険者=父 保険金受取人=子

父親を被保険者として、子供が保険料を支払って父の死亡時に子供が保険金を受け取る場合です。この場合に受け取る生命保険金は一時所得として所得税が課税されます。


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